那須のトレジャーストーンパークで予約が要るのは、地下鉱山だけだ。予約はオンラインのみで、当日の飛び込みはできない。クリスタルリバーは予約なしの当日受付。地下鉱山の枠は2〜3週間前ごろから出るが、日も時刻も決まっていない。こまめにのぞいた人が取る。それ以上のコツは、たぶん無い。
指先が、砂の中で硬いものに当たる。薄暗い坑道の奥、区画に仕切られた砂の上。12分のうち、まだ最初の数分だ。砂をどける。角ばった透明な粒に、紫がにじんでいる。
仕込みの石なのは、承知の上だ。それでも、指は勝手に速くなる。
那須高原のトレジャーストーンパークは、屋根の下で宝石を探せるテーマパークだ。うたい文句は「北関東最大級の宝石探しアトラクション」。雨が降っても、宝探しは中止にならない。子連れの週末には、これがいちばん効く。
ここは河原とは違う。石は施設があらかじめ用意して、区画された発掘現場や人工の川に仕込んである。見つけた石は、全部持ち帰れる。河原で20年、何も出ない日を重ねてきた身からすると、かなりの反則だ。いい意味で。
| 場所 | 栃木県那須郡那須町高久丙123 |
|---|---|
| 駐車場 | 無料約80台(臨時含む)。夏休み等は混雑 |
| トイレ | 開場前から利用可 |
| 採集可否 | 施設内体験として可能。自然の産地ではない |
| 子ども向け | ○ 未就学児は「こども見守り隊」として保護者同伴で入場可能なコースあり |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
料金と地図は、記事の最後の「スポット情報まとめ」に置いた。
那須高原のどこにあるか
那須の高原、県道68号線沿いにある。東北自動車道・那須ICから車で約7km。高原の施設なので、車で行くのがいちばん楽だ。週末の高原道路は観光の車で詰まるので、予約時間には余裕を持たせる。
施設の外にある、那須の地面の石
ここで掘る石は、よその土地から来た石だ。那須の地面から出た石でいちばん有名な一個は、湯本の温泉街のはずれ、硫黄のにおいが漂う斜面にいる殺生石だ。九尾の狐が化けたと伝わり、今は国の名勝の一部で、拾う石ではなく見るだけの石になる。その殺生石が、2022年の3月、割れているのが見つかった。石は、人の物語に合わせてくれない。
もう一つは、同じ那須町の芦野で掘られる芦野石だ。那須の地面から出る石なのに、生まれは会津の火山の大噴火。那須にいて、福島生まれの石を踏む。石の出身地は、たいていややこしい。
宝石探しは2つのコースがある
宝石探しは2本立てだ。どちらも、時間内に見つけた石は持ち帰れる。違うのは、予約が要るかどうかと、砂を掘るか、川をのぞくか。
| 項目 | 地下鉱山 | クリスタルリバー |
|---|---|---|
| 予約 | 事前予約制(オンラインのみ) | 当日受付(予約不要) |
| 料金 | 1区画1,800円(3名まで) | 1名800円 |
| 時間 | 12分間 | 20分間 |
| 場所 | 薄暗いトンネルの先の発掘現場 | 全長60mの人工の川 |
地下鉱山(事前予約制)
薄暗いトンネルを抜けると、区画に分かれた砂の発掘現場に出る。1区画で掘れるのは3名まで、ほかに2名まで見学で付き添える。制限時間は12分。12分は、砂遊びにしては短く、宝探しにしては長い。
紫が出たら、アメジストだ。一つ覚えておくと、話の種になる。店に並ぶ黄色い水晶、シトリンの多くは、アメジストに熱を加えて色を変えたものだ。天然の黄色は、珍しい。手の中の紫は、焼かれる前の顔でもある。
クリスタルリバー(当日受付)
クリスタルリバーは、全長60mの人工の川だ。川底で光る宝石を、20分で探す。予約は要らず、当日の受付順。混む日は待つ。ふだん濁った川で石を探している目には、川底が光るだけで親切すぎる。
この川には「伝説のカギ」が48本隠してあり、見つければ水晶の原石と交換してもらえる。宝石を探しに来た人に、宝石ではないものを探させる。うまい仕掛けだと思う。

地下鉱山の予約の取り方——公式サイトが自ら「早い者勝ち」と案内している
地下鉱山の予約枠は、2〜3週間前ごろから1週間分ずつ公開される。出る日も時刻も毎回ランダムだ。公式サイト自身が「イス取りゲームのようで大変面倒をおかけします」と書いている。施設に先に謝られては、文句も言えない。
予約のあとも、9時間前まではオンラインで日時の変更もキャンセルもできる。裏を返せば、埋まった枠も直前まで動く。満席でも、前の晩にもう一度のぞいてみる。イス取りゲームは、音楽が止まるまで終わらない。
発掘そのものは12分でも、受付から片付けまでで30分ほどかかる。当日は、予約の20〜30分前に着いておく。12分の宝探しに、30分の段取り。釣りと同じで、準備のほうが長い。
混雑と予約のコツ
クリスタルリバーは当日受付だが、夏休みなどは待ち時間が出やすい。待つ間は屋外の砂場へ。小粒の宝石が混ざったゾーンがあり、ここは誰でも無料で触れる。無料の砂場で子が満足してしまったら、それはそれで安上がりだ。
未就学児は、発掘現場に入れないコースがある。そのときは「こども見守り隊」として、保護者1名が付き添う。年齢の決まりは、予約の画面で確かめておく。
駐車場・アクセスの実際
駐車場は無料で約80台分(臨時を含む)。夏休みなどは混む、と口コミにもある。トイレは開場前から使える。車で長く走ってきた子連れには、案外これがいちばんありがたい。

発掘以外にもある——水晶ジオード割り体験とクレーンゲーム
発掘の2コースとは別に、「水晶ジオード割り体験」もある。ジオード(晶洞)は、岩の中の空洞の壁に、長い時間をかけて水晶やカルセドニーが育った石だ。外から見れば、ただのゴツゴツした岩。割るまで中身は誰にも分からない。サイズはSS(700円)から特大(時価)まで。特大の「時価」を見て、寿司屋かと思った。
屋外の砂場には、クレーンゲーム風のアトラクションも何台かある。海賊の宝箱、エジプトの秘宝と、台ごとにテーマが違う。宝石探しとは別料金だ。予約時間や順番待ちの間は、無料の砂場とこれで埋まる。財布は、ここで少し軽くなる。
営業時間は季節で変わる。夏休みは発掘体験を毎日やるが、閑散期は営業日が絞られることがある。平日に行くなら、営業カレンダーが先だ。締め切りはクリスタルリバーが閉場30分前、ジオード割りは閉場まで。夕方に着いたら、割るほうに回ればいい。
ペットは地下鉱山に入れない。受付売店とクリスタルリバーの見学席までは一緒に行けるが、発掘の間は、誰かと地上で留守番になる。待つ側の12分は、掘る側の12分より長い。
支払いは現金だけ。クレジットカードも電子マネーも使えず、キャッシュレスのポイント還元もない。小銭まで含めて、現金を用意していく。ジオードの前で財布が空、というのがいちばん悔しい。
ジオードの値段は、外から見えない中身への期待料でもある。発掘と違って、割る瞬間まで結果が見えない。河原で半日かける「出るか、出ないか」を、数十秒に詰めてある。石拾いのいちばんおいしいところだけを切り出した遊びだ。本物の山の晶洞が割られるまでの長い話は、国産の紫水晶の一本にある。
よくある質問
Q. 見つけた石は本物ですか?
本物だ。水晶やアメジストなどが発掘現場と人工の川に置いてあり、見つけた石は持ち帰れる。ただし、施設が用意した石だ。那須の地面から出た石ではない。そこさえ分かって拾えば、何の問題もない。
Q. 4人以上の家族で行く場合、料金はどうなりますか?
地下鉱山は1区画3名までだ。4〜6名で掘りたいなら、2チームに分かれて2区画分(1,800円×2)を申し込む。区画をまたいだ人数調整はできない。
石好き次郎から
河原に行くとき、私はいつも空振りのつもりで家を出る。当たりと呼べる日は、多くない。残りの日は、川を見ただけで帰ってくる。
この施設では、その空振りが起きない。時間内に、必ず何かが手に入る。河原の代わりにはならない。別の遊びだ。そして、その別の遊びに、うちは一度助けてもらった。
家族でここに来た日、私は伝説のカギを一本、子にこっそり渡した。カギは水晶の原石に替わり、その水晶は今も家にある。河原で拾った石は山ほどあるのに、あの一個だけは、産地を書くなら「那須・父の手」だ。子と行ける似た場所は、体験施設と河原の6選から選べる。
那須からは、関東の石拾いスポットで紹介した自然の川にも足を延ばせる。仕込みのない川は、こちらの都合を聞いてくれない。施設で1個、川で0個。その差を面白がれたら、もうこちら側の人だ。
入口は、屋根の下でいい。

スポット情報まとめ
| 体験 | 地下鉱山(発掘)・クリスタルリバー(探し発掘)・ジオード割り体験 |
|---|---|
| 難易度 | 初心者向け(施設体験のため確実性が高い) |
| 料金 | 地下鉱山1,800円/区画(3名)、クリスタルリバー800円/名 |
| Googleマップ | 地図・経路を開く |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
公式確認先
料金や開いている日、道の具合は変わる。下は、書くときに開いた公式のページだ。
- トレジャーストーンパーク 公式サイト
- トレジャーストーンパーク公式|地下鉱山(発掘体験)
- トレジャーストーンパーク公式|クリスタルリバー
- トレジャーストーンパーク公式|営業時間
- 那須町|国指定名勝「殺生石」と那須伝説「九尾の狐」
- 那須町|割れた殺生石(広報なす 令和4年5月号)
- 那須・芦野 石の美術館 公式|石の美術館の歴史(芦野石)
- GIA|Citrine(シトリンと加熱したアメジスト)
最終公式確認:2026年7月30日
施設の外にも、案内つきで探せる場所はある。全国の鉱物採集ツアーや坑道の体験は、鉱物探しはどこでできるかから選べる。

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