島牧村・江の島海岸でメノウが拾える——北海道後志の穴場採集スポット完全ガイド

メノウの採集地と産地——フィールドの写真
石好き次郎
島牧の海岸は、足元が全部石だ。砂浜ではなく、こぶし大の礫が数百メートル続く。歩くだけで足を取られる。この密度の海岸は、日本海側でもそう多くない。

北海道後志(しりべし)総合振興局・島牧村(しままきむら)。人口約1,200人の小さな漁村だ。

この村の海岸「江ノ島海岸」は「日本の渚100選」に選ばれた美しい砂利浜だ。ここの「砂利」は砂利というには大きく玉石と言った大きさの石が広がる。波打ち際を歩くと白・オレンジ・赤の半透明の石が混じる——めのうとジャスパーだ。石好きの間では「北海道でめのうが拾える穴場海岸」として口コミで広がってきた場所だ。

そして島牧はめのうだけではない。「賀老の滝」(日本の滝百選)・「賀老高原ブナ原生林」(10,700ha・日本最大級)・「茂津多岬灯台」(海抜290m・日本一の高さ)・「モッタ海岸温泉」(玉川温泉に匹敵するラジウム温泉)——自然の宝が集まる小さな村だ。「石を拾いながら日本の絶景を巡る」という旅が、この村だけで完成する。

目次

なぜ島牧の海岸にめのうがあるのか

島牧周辺の海岸は国道229号(通称「追分ソーランライン」)沿いに走っており、ドライブしながら複数の採集ポイントを確認できる。「ここが礫浜かどうか」は車窓からも判断できるため、走りながら採集スポットを決めるドライブスタイルが北海道の石旅の定番だ。地図に「礫浜」マークをつけながら走る——これが島牧採集の楽しい予習になる。

島牧のめのうの「形成環境」をもう少し詳しく説明する。流紋岩の溶岩が地表に流れ出るとき、マグマに溶けていた揮発成分(水・二酸化炭素)が気泡として残る。この気泡が後から熱水に運ばれてきたSiO₂で満たされ、玉髄→めのうの結晶が成長する。「岩の中の気泡がめのうの産室」——この事実を知ってめのうを採集すると、手の中の石の成り立ちが見える。

島牧(しままき)は北海道島牧郡に位置する人口約1,000人の小さな村だ。日本海に面した海岸線には約1億年前(白亜紀)の流紋岩・安山岩の地層が分布し、その空洞(晶洞・気泡)に熱水性のシリカ(SiO₂)が析出してめのうが形成された。この岩体が波に侵食されて崩落し、礫として海岸に転がる——島牧のめのうの旅が始まる場所だ。

島牧のめのうは色の豊富さで全国的に知られる。赤・橙・黄・白・灰・青〜緑系など、カラーバリエーションが日本の他の産地より幅広い。これは母岩の流紋岩に含まれる微量元素(鉄・マンガン・クロムなど)の組み合わせが多様なためで、同じ産地でも「色のコレクション」ができることが島牧の最大の魅力だ。

島牧村周辺の海岸は、後志地方の火山性地質帯に位置している。新第三紀(約2,300万〜260万年前)の火山活動で形成された安山岩・流紋岩の地層に、めのう・玉髄・ジャスパーを含む珪質岩が挟まれている。この地層が日本海の荒波に削られ続け、めのうの破片が海岸に打ち上がる。

同じ後志地方の古平町・泊村「鉱石海岸」も同様の地質で、北海道の海岸めのう産地として並んで知られているが、島牧の江ノ島海岸は「知られざる穴場」という点で際立つ。採集圧が低く、手つかずの石が残っている可能性が高い。

アクセスと基本情報

島牧の採集の「穴場」として漁港周辺の礫浜がある。漁港に打ち上げられた礫は地域によって異なる母岩から来ていることがあり、通常の海岸とは違う石が混じる。漁港での採集は漁業関係者への挨拶・迷惑をかけないことが前提で、漁が行われていない時間帯(朝の漁から戻った後の午前9時〜)が採集に適している。

島牧村へのアクセスは車が基本だ。札幌から国道229号経由で約2時間30分、函館から約3時間。レンタカーで「ニセコ→島牧→積丹」という日本海ルートのドライブが石好きの定番コースだ。村内に宿泊施設(道の駅・旅館・民宿)があるため、1泊2日の採集旅行が成立する。

採集可能な海岸は島牧村の海岸線(約22km)に点在しており、道路から直接アクセスできる場所が多い。「賀老高原」方面の滝見物と組み合わせた旅行プランが地元観光客に人気だ。めのう採集と賀老の滝(日本の滝100選)という北海道の自然を2点で楽しめる1日コースは、石好きでない同行者も満足できる。

車:札幌市中心部から道央自動車道・黒松内ICで降りて国道229号(追分ソーランライン)を北へ約30分(合計約2時間30分〜3時間)。小樽ICからは約2時間。国道229号沿いに駐車場とトイレがあり車でのアクセスは良好だ。

公共交通:最寄り鉄道駅はJR函館本線・黒松内駅。バスはニセコバスで寿都ターミナル経由の便がある(本数が極めて少ない)。実質的に車が必須だ。生活用品:泊川を渡ってすぐの島牧村役場付近にセイコーマート(6時〜23時)。村内にコンビニは1店舗のみのため事前に準備を推奨する。

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石好き次郎

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