「GIA証明書」は偽造できる——世界最高権威の宝石鑑定書が偽物市場で流通している

「GIA証明書」は偽造の写真

2024年1月9日、GIA(米国宝石学院)が異例の緊急声明を発表した。

**「合成ダイヤモンドに天然ダイヤモンドのGIA刻印を偽造した石が市場に流通している」**

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詐欺の手口——「完璧なコピー」の作り方

詐欺は3ステップで行われる。まず天然ダイヤモンドを鑑定したGIA公式レポートを入手する(盗難・遺失・中古市場経由)。次にその天然ダイヤと全く同じ重量・カット・寸法になるよう、CVD合成ダイヤモンドをカットする。そしてレーザー刻印機で合成ダイヤのガードルに盗用したGIAレポート番号を刻む。結果として「GIA証明書(天然石のもの)」+「GIA刻印(偽造)の合成石」——外見上は完璧にセットが揃う。GIAのドバイ研究所に持ち込まれた石で発覚した——「フォントが微妙に違う」という細部から見抜かれた。

2021年——インドでの摘発

2010年代後半から、BtoB取引プラットフォーム(アリババなど)でCVD合成ダイヤモンドに本物のGIAレポート番号を組み合わせて販売する業者の存在が繰り返し指摘されてきた。本物なら数千〜数万ドルのダイヤモンドが、1カラットあたり100ドル前後で販売されていたケースも報告されている。インドのスーラット(世界最大のダイヤモンド研磨都市)は合法的な研磨産業と疑わしい業者が同じ地域に混在する構造を持ち、業界団体のGJEPC(Gems & Jewellery Export Promotion Council)も証明書偽造を業界の課題として繰り返し警告している。