川に落ちたら、泳ごうとせず、まず浮いて呼吸を確保し、助けを待つ。川底のきれいな石は、いつも、もう一歩先に見える。だが、その一歩を踏み出さなくても石拾いはできる。
石拾いで水に落ちるのは、泳ぎに行った人だけではない。濡れた石も、苔も、水際のコンクリートも滑る。浅そうに見えて急に深くなる場所もある。だから、落ちない歩き方をまず身につけ、そのうえで、もし落ちたときにどうするかを知っておく。
浮き方の姿勢は、日本赤十字社と国土交通省の案内に合わせた。命に関わるところに、自己流は混ぜない。

川に入る予定がなくても、落水は起こる
国土交通省は、川に入らなくても足を滑らせて転落する事故が多いと注意している。川での水難事故の多くは、ライフジャケットさえ着けていれば防げた可能性がある——そう説明して、ライフジャケットを「川のシートベルト」と呼んでいる。
石拾いの現場は、まさにその「入らないのに落ちる」条件がそろっている。水に濡れた石や、苔のついた岩、河原のコンクリートは滑る。浅く見えても、一歩先が急に深くなることがある。水際は、水位でその日ごとに境界が変わる。
落ちた直後は、「泳ぐ」より先に呼吸を確保する
日本赤十字社は、衣服を着たまま水に落ちたときは、まず「泳ぐ」のではなく「浮く」ことを勧めている。着たまま泳ごうとすると体力を消耗する。大事なのは、着衣のまま呼吸を確保することだ。
浮いて待つときの姿勢
顔と目線は真上に向ける。体の力を抜いて、腕と両脚を伸ばした姿勢になる。空気をたくさん吸い込み、少しずつ呼吸する。怖がって腰を引かない。そして、衣服や靴は脱がない。水中で脱ごうとする行為はかえって危険で、服や靴は浮力や保温にも役立つ。
あわてて手足をばたつかせると沈みやすい。まず浮いて、助けを待つ。声を出して人に知らせるのは、呼吸に余裕があるときだけにする。
正直に書く。若い頃、私は安いゴムボートで多摩川を下るという無茶をやった。
ただし、これは真似する話ではない。川は見た目より流れが速く、岩も多い。今の私なら、流れの速い区間に安いゴムボートでは入らない。川の怖さを知らなかった、若い頃の無茶だ。
石拾い中に不意に落ちるのは、ボートで身構えて遊ぶときとは違う。増水した川や上流の激しい流れなら、なおさらだ。だから、頼りにするのは、日本赤十字社の「まず浮いて、助けを待つ」だ。もがかず力を抜いて浮き、呼吸を確保する。実際の水難で試すものではないので、着衣泳や水上安全法は赤十字などの講習・公式動画で先に学んでおく。
ただし、「浮けば絶対に助かる」ではない
浮いて待つのは万能ではない。流れのある川では、水面下に引き込むような複雑な流れが生じる場所があり、浮いていること自体が難しい。だから、浮き身を過信しない。
いちばんの安全は、激しい流れや深みに入らないことだ。そのうえで、水際で活動するなら、呼吸の確保を助けるライフジャケットが効いてくる。選び方はライフジャケットの記事で。人が流されたのを見たときの動きは救助の記事に書いた。
浮力を得られる、身近な物
日本赤十字社は、身近なもので浮力を得る方法も紹介している。空のペットボトル、クーラーボックス、バケツ、サッカーボールのようなもの。未開封の大袋のスナック菓子も浮く。落ちた人にこうしたものを渡せば、より長く浮いていられる。
石拾いに行くと、たいてい水と道具を持っている。空になったペットボトルやバケツは、いざというとき浮力になる。捨てずに手元に置いておく。

水辺に行く前の準備
落ちてから考えるのでは遅い。行く前に、次を確かめておく。
| 準備すること | なぜ |
|---|---|
| 天気・水位を見る | 上流の雨で増水することがある。晴れていても油断しない |
| 行き先を家族に伝える | 一人で行くなら、どこへ行くかを必ず共有しておく |
| 通信手段を持つ | 電波の届く範囲を確かめ、連絡できる状態にしておく |
| 滑りにくい履物にする | 濡れた石・苔で転ばないための足元。サンダルは避ける |
| 水に入るならライフジャケット | 川に入らなくても、水際で転落する備えになる |
川へ入らない石拾いも、立派な石拾い
石は、水の中だけにあるわけではない。増水のあとに岸へ打ち上がった石、水際の乾いた河原、中州の手前の浅い縁。無理に流れへ踏み込まなくても、拾える場所はいくらでもある。
天気と水位の見方は晴れていても川は増水するに、山あいや沢の生き物の備えは現場にいる危険生物にある。小さい子どもと行くなら、流れから離れた場所を条件から石探しを選ぶと合わせて選ぶといい。
公式確認先
書くときに当たったページを置いておく。
石好き次郎から
真水は、海の水より浮きにくい。人の体は、息を吸ってやっと少し浮くくらいの重さで、流れのある川では、浮いていること自体に力がいる。だから「泳げるから大丈夫」は川では通じない。まず浮いて、呼吸を確保する——順番はここから始まる。
川に入る前に、私はまず足場を確かめる。濡れた石や苔は滑るし、水の中は深さも流れも見た目と違う。あと一歩で届く石ほど、足元は滑りやすく、水も近い。
川へ入らなくても、石拾いは十分に楽しい。岸を歩き、乾いた河原の石を眺める。それで満ち足りる日がある。無事に帰って、その石をゆっくり見るところまでが石拾いだ。


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