奈良・竹田川に赤い宝石?ガーネットを探す川歩き

ガーネットの採集地と産地——フィールドの写真
石好き次郎
竹田川は二上山の麓を流れる。1,600万年前の噴火が、変成岩と火山岩の両方を残した。だから一つの河原にガーネット・サヌカイト・玉髄・石英が同居する。4種類が同時に拾える川は、そう多くない。

この川の河原の砂をすくって光に透かすと——赤い粒が見える。川底が赤く染まるエリアがある。

赤い粒はガーネット(柘榴石・金剛砂)だ。かつて香芝市内の企業が紙やすりの研磨剤として採掘していた、実用の宝石だ——江戸時代からの採掘の歴史がある。黒くて薄いガラスのような破片は「カン」と金属音がするサヌカイト。縄文時代の石器材料だ。さらに青く透き通った粒はサファイア(鋼玉)——希少だが実際に採れる。そして何と、ブラックライトでピンク色に光るルビーまで。

TBSテレビ「ビビット」、NHK「すイエんサー」でも放映されたほど有名な産地——奈良県香芝市を流れる竹田川だ。一つの川でガーネット・サヌカイト・サファイア・ルビーが採れる場所は、関西圏はおろか日本でも他にない。

目次

二上山——1,600万年前の噴火が生んだ4種の石

古事記・日本書紀にも登場する「二上山」は、神話の時代から日本人が注目した山だ。大津皇子が流刑の後に埋葬されたとされる「二上山の鴎(かもめ)」の伝説が万葉集に詠まれており、文学的な聖地でもある。「4種の石の山」という地質的な価値に加え、「日本文学の山」という文化的な奥行きが、二上山を特別な場所にする。

二上山の地質形成は「カルデラ崩壊」という大規模な火山現象が関係する。1,600万年前の超大型噴火でマグマが一気に噴出し、山体が陥没してカルデラが形成された。この噴火の際の高温変成帯に接触したガーネット(変成岩帯)・碧玉(熱水変成)が生まれ、サヌカイトは噴出した流紋岩質のマグマが急冷してガラス化したものだ。一つの山の一つの噴火が4種の全く異なる石を生んだという地質の物語だ。

二上山は奈良県と大阪府の境に位置する双峰の火山だ。約1,600万年前(中新世)の流紋岩質の噴火で形成された山体に、凝灰岩・サヌカイト・ガーネット・碧玉という4種の石が胚胎している。これほど多様な石が一つの山に集まる例は日本でも珍しく、縄文・弥生時代から「石の山」として人々に利用されてきた。

サヌカイトは「讃岐石」とも呼ばれ、香川県讃岐産が有名だが二上山産のサヌカイトは奈良・大阪の縄文人に使われた歴史的に重要な石だ。叩くと金属音がする(カンカンと響く)特性が縄文人に選ばれた理由で、「音のする石」として現代でも打楽器の材料になる。金剛砥(こんごうと)という砥石の産地でもあり、二上山は「使える石の宝庫」として古代から知られた。

竹田川・葛城川の上流に位置する二上山(標高517m)は、千数百万年前(第三紀中新世・約1,600万年前)に活発な火山活動があった山だ。「万葉集」にも詠まれた二上山は古代から人々に親しまれてきたが、地質的には火山岩と変成岩が複雑に接する特殊な山だ。

二上山が生んだ石は4種類ある。ガーネット(金剛砂・鉄礬柘榴石)は変成岩の中の鉱物で、江戸時代から研磨剤として採掘されてきた。1960年代が採掘の最盛期で、穴虫地区の川底・水田の下5mにガーネットが大量に赤く積もった層があり、砂鉱として組織的に採掘されていた。

現在も香芝市内には研磨剤・紙やすりを製造する企業があり、金剛砂(ガーネット)が天体望遠鏡のレンズ研磨材にも使われている——石と産業が今も繋がるユニークな産地だ。サヌカイトは安山岩の一種で、世界でも香川県五色台と奈良県二上山等のわずかな場所でしか産出しない。縄文時代から弥生時代まで石器材料として使われた。

サファイア・ルビー(鋼玉・コランダム)は酸化アルミニウムの結晶で、不純物によって青色(サファイア)または赤色(ルビー)に発色する——竹田川ではどちらも採集記録がある。

採集スポットとアクセス

採集の際の注意点:竹田川は農業用水の取水がある区間もあるため、水量の急変に注意する。また二上山は野生のイノシシが生息するエリアで、夕方〜早朝の採集は避けることが推奨される。大阪府・奈良県ともに川での採集自体は禁止されていないが、農業施設・護岸工事エリアへの無断立ち入りは禁止だ。

竹田川の採集に最適な場所は「竹田川河川公園」付近の河原だ。近鉄大阪線・二上山駅から徒歩約15分、または近鉄南大阪線・二上駅から徒歩約20分でアクセスできる。駐車場は河川公園に隣接した無料スペースがある。大阪・奈良からの電車アクセスが良く、日帰り採集地として関西の石好きに定番のスポットだ。

竹田川の採集適期は4〜11月の増水が少ない時期だ。梅雨の増水後(7月中旬以降)は新しい石が流れてきた「リセット後の状態」になるため採集効率が上がる。干潮・大潮のサイクルは関係なく、川の水位が低い日・快晴の日が採集しやすい。「砂利が乾いた状態より濡れた状態の方が石の色・光沢が見えやすい」という川採集の基本を活かすなら雨上がりの翌日が狙い目だ。

スポット特徴アクセス注意
竹田川・穴虫交差点下流の橋の下川底が赤く染まるほどのガーネット密集地。水量は足首程度で安全。夏でも橋の下は涼しいJR香芝駅・近鉄関屋駅から徒歩15〜20分近くの企業敷地に立入禁止
葛城川と竹田川の合流点付近2流域からの重鉱物が集まる。種類豊富近鉄関屋駅から徒歩15分私有地・農地は厳禁

電車:JR和歌山線・香芝駅または近鉄大阪線・関屋駅から徒歩・自転車で15〜20分。大阪・天王寺から電車1本で1時間以内で来られる関西屈指のアクセスの良さだ。車:橋の横に3台程度の駐車スペースがある。橋の下に降りる際はガードレールをまたいでブロック製の階段を使う。企業敷地・農地・私有地には絶対に立ち入らない。

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石好き次郎

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