大磯で石を拾うなら、照ヶ崎海岸とこゆるぎの浜だ。狙いは白っぽい半透明のめのうと、角の取れたシーグラス。派手な石は出ない。そのかわり、小さい一個を探す目がよく育つ浜だ。
朝は、アオバトという緑の鳥が海水を飲みに来る。鳥は岩場、こちらは波打ち際。取り合いにはならない。
拾い方は、波打ち際を歩いて光を通す石を探すだけだ。二つの浜は隣り合っていて、境目は地元の人でも曖昧なことがある。一続きの浜だと思って歩けばいい。

| 場所 | 神奈川県大磯町・照ヶ崎海岸/こゆるぎの浜 |
|---|---|
| 駐車場 | 大磯港県営第一・第二駐車場あり(1時間310円・1日上限あり) |
| トイレ | あり(大磯駅ホーム/海水浴場開設期間中は仮設あり) |
| 採集可否 | 手で数個拾う分には、まず咎められない。アオバトの来る岩場には近づかない |
| 子ども向け | 向く(磯遊びと兼用可・潮位に注意) |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
照ヶ崎・こゆるぎの浜で拾えるもの
砂浜ではない。小石の浜だ。歩くたびに足元でじゃらじゃら鳴って、それがうるさいくらい気持ちいい。その小石の中に、めのうとシーグラスが紛れている。
| 拾えるもの | 見た目 | 拾い方 |
|---|---|---|
| めのう(玉髄) | 半透明の白〜灰。光を通す | 波打ち際で日に透かす |
| シーグラス | 海で角の取れたガラス片。白・緑・茶が多い | 目で探す |
| 小石全般 | 丸みを帯びた様々な色の石 | 目で探す |
本命はめのうだが、真っ赤な大物はまず出ない。白か灰の、爪くらいの半透明が相手になる。地味だと思うなら、日にかざしてみるといい。光がとろりと抜ける一個で、評価が変わる。道具は袋一つで足りる。持ち物をそろえたい人は道具ガイドを。
探すのは、波打ち際より少し上の、粒のそろった帯だ。大きな石が転がる所より、小豆から親指くらいの小石が集まる所。重さの近い石は、波が同じ場所に置いていく。爪くらいのめのうも、その帯に混じる。
アオバトは岩場、石拾いは波打ち際
アオバトは5月初旬から10月ごろ、丹沢の山から海水を飲みに飛んでくる。ピークは7月から8月で、日の出から10時ごろまでと、夕方が見やすい。全長33センチほどの緑の鳥が、塩を補うために20〜30キロを飛んでくるわけだ。石を拾いに電車を乗り継いでくる人間と、動機の真剣さはいい勝負だと思う。
決まりの話はここにまとめる。照ヶ崎はアオバトの飛来地として1996年に神奈川県の天然記念物になった。守られているのは鳥と、鳥が降りる岩場だ。浜そのものが立入禁止なわけではなく、親子連れも釣り人もふつうに来る。浜の小石を手で数個拾って咎められることは、まずない。
守ることは二つ。鳥のいる岩場に寄らない、大声を出さない。波打ち際で黙って下を向いている石拾いは、たぶん浜で一番鳥に無害な人種だ。

めのう・シーグラスの見分け方
浜の石は、どれも波にもまれて丸い。丸さでは選べない。見るのは光の通り方と、ぬめっとしたつやだ。最初は、どれも同じに見える。手に取る数が増えるうちに、急に違いが見えてくる。
見分ける3つのポイント
見るのは三つだ。日にかざして光が通れば、めのうの見込みがある。シーグラスは角が取れて丸く、指で触るとつるりとする。色は白・緑・茶が多く、青や赤はまれだ。まれな色ほど、ポケットの中で何度も確かめたくなる。
よくある間違い
いちばん多い取り違えは、白い石英だ。光は通すのに、めのうの細かい縞やぬめりが無い。濡れているうちはどちらもきれいなので、乾かしてからもう一度見る。乾いても気に入ったなら、それはそれで持って帰っていい。光を通す白い石の見分けは、河原の透明な石は水晶かが石英と方解石まで並べて比べる。

大磯という土地——海水浴発祥の地
照ヶ崎は、明治に日本で最初の海水浴場が開かれた浜だと伝わる。開いたのは陸軍の軍医だった松本順で、泳ぐというより海水で体を癒す潮湯治に近かったらしい。今の照ヶ崎は遊泳禁止。日本の海水浴の始まりの浜で、泳がずに石を拾う。少しだけ申し訳ない。
晴れた日は富士山が見える。関東富士見百景の景色だ。下ばかり見ていると、帰りの電車で富士山を見逃したと気づく。たまに顔を上げる。神奈川のほかの浜や川は、神奈川の石拾いの記事にまとめた。
アクセスと駐車場
JR東海道線の大磯駅から歩いて10分ほどで照ヶ崎に出る。車なら国道134号の大磯港入口からすぐだ。
駐車場は大磯港の県営第一・第二。1時間310円ほどで、1日の上限は千円台。夏の週末は早い者勝ちになる。トイレは駅か、海水浴場が開く時期の仮設。
拾っためのう・シーグラスをどうするか
めのうもシーグラスも、水で洗えば終わりでいい。めのうは磨けば透明感が増すが、シーグラスの曇りは磨くと消える。海が何年もかけた仕上げを、家の数分で台無しにすることはない。
透明な袋か小瓶に、色ごとに分けておく。それだけで、ただの欠片が、あの朝の浜になる。見た目のきれいな石をもっと知りたいなら綺麗な石図鑑もどうぞ。
浜に出る前に(鳥・潮・足元)
潮の満ち引きを確認する
干潮だと岩場が広く出て、満潮ではほとんど沈む。潮見表で干潮前後を選び、満ち始めたら上がる。石は逃げないが、潮は待ってくれない。
足元と、暑い日
小石の浜は足首にくる。底のしっかりした靴で行く。遊泳禁止なので、暑くても海には入らない。
大磯での石拾いに関するよくある質問
初心者や子どもでも拾える?
拾える。光を通すかどうか、という目印が、子どもにもいちばん分かりやすい。
雨の後でも行ける?
荒れた当日は避けて、落ち着いた翌日以降に行く。打ち上がる石の顔ぶれが入れ替わる。
石好き次郎から
めのうは地面の中で育った石で、シーグラスは誰かが捨てた瓶のかけらだ。生まれはまるで違うのに、波は区別しない。同じ丸さ、同じ手ざわりにして浜に返してくる。拾う側も、区別しなくていいと思う。
大磯は、拾える量で勝負する浜ではない。歩いても歩いても、爪の先ほどのめのうが一つ二つ。それを少ないと思うか、十分だと思うかで、この浜との相性が決まる。
大磯のめのうは白くて小さい。人に見せると、たいてい「それ何?」で終わる。光にかざして、自分だけ分かれば足りる石だ。
スポット情報まとめ
| 採れるもの | めのう(玉髄)・シーグラス |
|---|---|
| 難易度 | 低い |
| 料金 | 無料(駐車場は有料) |
| Googleマップ | 地図・経路を開く |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
公式確認先

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