2018年1月22日、イギリス王室がバッキンガム宮殿でユージェニー王女とジャック・ブルックスバンクの婚約を発表した。同年10月12日に結婚式がウィンザー城で挙行された。カシミールサファイアの希少性。その手の指輪に——オレンジとピンクが溶け合う、見たことのない色の石が輝いていた。
「**パパラチャ・サファイア(Padparadscha Sapphire)**。スリランカ語で蓮の花の色」という回答が拡散し、一夜にして世界中の宝石愛好家がこの石の名前を知った。
「サファイアの中で最も希少」——全サファイアの1%以下
パパラチャはサファイアの変種だ——コランダム(Al₂O₃・酸化アルミニウム)という鉱物で、ルビーとサファイアの兄弟石。
色の原因:クロム(ピンクを作る)とアイアン(オレンジを作る)が同時に存在する——この2つの元素が同一のコランダム結晶に共存することが地質学的に極めてまれだ。
ピンク一色→ピンクサファイア。オレンジ一色→オレンジサファイア。しかし、完璧にバランスのとれたピンク×オレンジの石→パパラチャ、だ。
全世界で採掘されるサファイアのうち、真のパパラチャ基準を満たす石は1%以下だ。さらに希少な条件として、1カラット以上の大粒は極めて少なく、色ムラのない均一なパパラチャ色は奇跡的で、「どちらの色が強いか」で専門家の定義が割れる(GIA・SSEF・AGL三者で基準が微妙に異なる)。
「名前の意味」——スリランカの国花から
「Padparadscha」の発音:パド・パ・ラジ・ャ(pad-pa-raj-a)——サンスクリット語「padma-rāga(パドマ・ラーガ・蓮の花の色)」が起源で、シンハラ語(スリランカの公用語)を経由してヨーロッパに伝わった。
蓮は古くから仏教・ヒンドゥー教で神聖視され、スリランカでも伝統的に高貴な花とされてきた(スリランカの国花は正確には「青い睡蓮(Nymphaea nouchali)」だが、蓮と睡蓮は文化的に近い存在として扱われてきた)。
石の色はその花弁の、夕暮れ時のサーモン色に似ている——ピンクでも橙でもなく、その二つが溶け合った「日没のピンク」だ。
「宝石の中のレンブラント」——あるコレクターの表現が名言として広まっている。



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