この記事はもともと「大千瀬川で水晶が採れる」という内容で書いていた。だが実際に裏を取り直したところ、水晶が採集できるという根拠は見つからなかった。所在地も設楽町ではなく東栄町、川は豊川水系ではなく天竜川水系だった——複数の事実が間違っていた。訂正する。
この川には、捏造した話より確かに面白いものがある。振草渓谷のポットホール——愛知県指定天然記念物——と、「奥三河のナイアガラ」と呼ばれる蔦の渕だ。今回は石拾いではなく、この本物の見どころを紹介する。

大千瀬川・振草渓谷とは——場所の訂正から
大千瀬川(おおちせがわ)は、愛知県北設楽郡東栄町に源を発し、東栄町を東へ流れて静岡県浜松市天竜区へ抜ける川だ。天竜川水系の支流にあたる。流路延長は約20.7キロ、流域面積は約272平方キロ。上流部は振草川とも呼ばれる。
川は本郷市街地を横断したあと、国道473号に沿って「振草渓谷」と呼ばれる区間に入る。1969年、周辺2,170ヘクタールが振草渓谷県立自然公園に指定された。川床は領家変成帯の花崗岩でできている。
振草渓谷のポットホール——愛知県指定天然記念物
花崗岩の川床に、小石が水流で回転し続けてできた丸い穴——ポットホール(甌穴)が点在する。東栄町には煮え渕(にえぶち)・預り渕(あずかりぶち)・釜淵(かまぶち)の3つが代表として知られる。
煮え渕と預り渕は1988年、愛知県指定天然記念物になった。釜淵は大千瀬川の支流・柿野川にあり、「三段滝」とも呼ばれる。数センチから数メートルまで、大きさも形もひとつずつ違う。
★天然記念物指定区域では、石や砂利を持ち出すことはできない。ポットホールを削ったり、中の石を持ち帰ったりしない——見て、写真に撮って、置いていく。

蔦の渕——奥三河のナイアガラ
本郷市街地の東端にある蔦の渕(つたのふち)は、地元で「奥三河のナイアガラ」と呼ばれる。滝の上部は硬い安山岩、滝壺側は柔らかい泥岩でできており、硬さの違う岩が異なる速さで削れる「差別侵食」によって、この落差約10メートルの滝が生まれた。
2003年、とうえい温泉「花まつりの湯」と蔦の渕を結ぶ遊歩道と、滝を見下ろす展望台が完成した。展望台には「竜神の鐘」があり、鳴らすと願いが叶うと言われている。
アクセスと観光情報
基点:とうえい温泉「花まつりの湯」。ここから蔦の渕まで遊歩道が続く。公共交通:JR飯田線・東栄駅からバス(東栄線・本郷下車)。車:国道151号・473号沿い。
夏季は「大千瀬てらす」という川遊び企画が期間限定で開かれる。東栄浄水公園エリアを使い、小さな子供でも入りやすい浅瀬がある。開催期間・利用料は年によって変わるため、行く前に東栄町観光まちづくり協会の公式情報で確認する。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 愛知県北設楽郡東栄町(大千瀬川・振草渓谷) |
| 見どころ | 蔦の渕(落差約10m)、煮え渕・預り渕ポットホール(県指定天然記念物) |
| 石の採集 | 根拠なし。天然記念物区域は持ち出し禁止 |
| 駐車場・トイレ | とうえい温泉「花まつりの湯」を基点に利用可(詳細は施設へ確認) |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
よくある質問
Q. 大千瀬川で水晶や石は拾えますか?
A. 拾えるという根拠は確認できていません。この記事はもともとその前提で書かれていましたが、裏付けが取れなかったため訂正しました。ポットホール周辺は天然記念物指定区域で、石の持ち出しはできません。
Q. 設楽町ですか、東栄町ですか?
A. 東栄町です。以前の版で設楽町と誤記していました。大千瀬川は東栄町を流れ、静岡県浜松市天竜区へと抜けます。
Q. 子供と行っても大丈夫ですか?
A. 蔦の渕の展望台までは遊歩道が整備されています。ポットホール周辺は岩場で足元が滑りやすいため、小さな子供は目を離さないでください。夏の「大千瀬てらす」期間は浅瀬もあり、川遊びに向いています。
Q. 紅葉の時期はいつですか?
A. 振草渓谷は東三河でも紅葉の名所として知られています。例年の見頃は11月ですが、その年の気候によって前後するため、訪問前に最新情報を確認してください。
Q. 鮎釣りもできますか?
A. できます。振草川(大千瀬川上流部)は愛知県内でも解禁日が早いことで知られる鮎釣りの名所です。遊漁券などのルールは漁業協同組合の案内に従ってください。

石好き次郎から
ポットホールができる仕組みは単純だ。花崗岩の割れ目に小石が入り、水流で回転し続ける。石が岩を削り、削れた分だけ穴が深くなる。気の遠くなるほどの回数、同じことが繰り返されて、あの丸い穴になる。
この記事は、以前「水晶が採れる」と書いていた。実訪の記録も、公式な裏付けもないまま、断定していた。今回訂正して、代わりに確認できる事実だけを残した。
石を拾う記事より、石を削る水の話のほうが、結果として面白いものになった。狙ってこうなったわけではない。
嘘をついたまま置いておくより、間違いを認めて書き直すほうが、次郎らしいやり方だと思う。
関連記事
- 【2026年版】東海で石を拾える場所——愛知・岐阜・静岡・三重 完全ガイド
- 【2026年版】愛知・静岡・三重で石を拾える場所——奥三河の水晶、天竜川のガーネット
- 長瀞で石は拾えない——それでも石好きが岩畳へ行く理由【名勝・天然記念物】
- 銚子で石は拾えるのか——犬吠埼が国の天然記念物である理由と、正直な答え
公式確認先
設備・アクセス・規制など変わる可能性がある情報は、次の公式ページで確認している。訪問前に最新情報を確認するのが確実だ。
大千瀬川・振草渓谷の地理・ポットホール
蔦の渕・とうえい温泉
最終公式確認:2026年7月23日


コメント